【2026年】表紙が語るメッセージ~若きクリエイターの視点~|うめざわまあや

公開日 2026年05月01日
  • JAA
  • 出版
  • クリエイティブ

武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科 助手

うめざわまあや

2022年度 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業
繊維商社でデザイナーとして勤務後、2024年度から同学科に助手として着任。
研究テーマは、写真と言葉による表現と、シルクスクリーンでの写真印刷について。

はじめに

2026年協会誌の表紙デザインを担当させていただきました、うめざわまあやです。
普段は美術大学で助手をしながら、写真や印刷を研究テーマとして制作に打ち込んでいます。
この記事では、今回の表紙に込めたテーマや制作の裏側、そしてこの表紙を通して伝えたかったことについてお話しできればと思います。

テーマについて

2026年表紙は、川をテーマとしています。
混沌と揺れ動いていく不安定な社会・日常の中で、一歩立ち止まって心静かになれる時間を写真で表現できないかと考え、自分にとって落ち着く場所である川をテーマに選びました。
普段はモノクロで写真を撮影・制作していますが、今回はカラーの写真を使用しています。
水の動きだけでなく、光の色も際立たせることで、温度を感じられるような写真を目指しました。

2026年1月号

写真を撮ることについて

わたしが写真を撮る上でこだわっていることは、大きく3つあります。

1つ目は、自分ではコントロールできないものを撮ること。
川の撮影でいえば、日光や風の向き、雲の流れなど、全てが自分にはコントロールできない偶然の重なり合いで、写真が生まれます。
偶然の出会いを求めて撮影を続け、それを自分の意図で切り取るという行為は、何事にも代え難い高揚感があります。その喜びを、写真で伝えられたらと思っています。

2つ目は、同じ場所で繰り返し撮影してみること。
今回の1,2,3月号の写真は、実は全て同じ場所の千葉県市川市の江戸川で撮影しています。同じ場所でも、季節や時間帯、天気、カメラの設定次第で全く表情の異なる写真が撮れます。
その変化を感じ、表現できることが写真の醍醐味です。同じ場所に何度も通うことで、毎回異なる発見ができます。そのワクワク感が好きです。

3つ目は、ひとりで撮影すること。
写真は一瞬を切り取るため、撮影時の自分の気持ちや集中力が全て映し出されるように感じます。そのため、自分の集中力を高めた上で、被写体に夢中になって撮ることを意識しています。

2026年2月号

制作を通して伝えたいこと

わたしは川を散歩することが好きです。川原に佇んで水面を眺めていると、自分が水の動きを追っているのか、光の粒を、光の波を、光の形を追いかけているのかわからなくなります。
でも、わからなくなる瞬間というのは、自分が水面の動きに夢中になって少しだけ川と一体化している瞬間なのではないかと思えるのです。その時間は、心が静かに、穏やかになります。
写真を見てくれた人にも、日常のことから少し離れて心穏やかになれる時間を、ささやかながらプレゼントできたらいいなと思っています。

2026年3月号

個展のお知らせ

2026年6月に個展を行います。
個展のテーマも「JAAnexus(旧:月刊JAA)」の表紙として使っていただいた写真と同様の『水辺』をテーマにしております。
以下、詳細となります。ぜひ足をお運びいただけますと幸いです。

うめざわまあや個展「水辺を歩いてゆく」
ステートメント

水面を眺める。
太陽の光がたゆみ、ひらき、ちらばる。
だんだん心がしーんとしてくる。静かに、穏やかに、緩やかに。

水辺を眺める。
流れ着いたものたち。
歪んだバケツ、金属と一体化した海藻、クレーターのような水溜まり。
いろんな時の流れが集まる場所。

だんだん探検家のような気分になってきた。
川辺で見つけた心惹かれるかたちを、写真とシルクスクリーンで表現します。

展示期間

2026年6月25日(木)~30日(火)
12:00-20:00(最終日18:00まで)

Instagram

うめざわまあや @maoshomaya

場所

にじ画廊(吉祥寺)
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-2-10
(JR中央線 吉祥寺駅より徒歩4分)

おわりに

実は2025年の、JAAnexus(旧:月刊JAA)の表紙も1年間担当させていただき、今回は2年目の担当でした。
昨年は植物をテーマにモノクロの写真を使っていただいたのですが、今年は雰囲気を変えるという意味も込めて、テーマを変え、カラーの写真に挑戦しました。
1年間同じテーマでありながら、いろんな表情の写真をお見せするというのは、なかなか緊張しました。
ですが、月ごとに「今月は目の前に光がさすような水面を表現しよう」「今月はうっとりするような川辺の静けさを表現できないか」など、自分の中でのコンセプトを変えていきました。そのコンセプトに沿って写真を撮影・選定していく時間はとても充実したものでした。
2年間ご覧いただきありがとうございました。

2026年5月号

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