字幕付きCM

字幕付きCMとは?~基礎知識と導入の意義~

公開日 2026年10月13日
  • テレビ・ラジオメディア委員会
  • JAA
  • 広告品質
  • テレビCM
  • クリエイティブ
  • 字幕付きCM普及推進協議会

字幕付きCMとは、CMのナレーションや会話などの音声情報を文字で表示し、音声を聞き取りにくい場合でも、広告内容を理解できるようにしたCMです。
字幕付きCMは、聴覚に障害のある方への情報アクセシビリティを確保するだけでなく、音を出せない環境や、音声が聞き取りにくい環境にいる視聴者にも広告メッセージを届けるための施策です。社会的責任を果たす取り組みであると同時に、広告の到達可能性を広げるマーケティング施策としても捉えることができます。

字幕を必要とするのは、聴覚に障害のある方だけではありません。加齢などによって音声を聞き取りにくい方に加え、赤ちゃんが寝ている部屋や、家族が勉強・在宅勤務をしている空間など、音を出しにくい場面は日常の中に数多くあります。また、周囲の生活音が大きい場合や、商品名・固有名詞を音声だけでは把握しにくい場合にも、字幕は広告内容の理解を助けます。

字幕には2つの表示方式がある

映像に表示される字幕には、大きく分けて「オープンキャプション」と「クローズドキャプション」の2つの方式があります。

◆オープンキャプション
映画の字幕や映像内に組み込まれたテロップのように、すべての視聴者に常時表示される字幕です。字幕が映像そのものに組み込まれているため、視聴者が表示・非表示を切り替えることはできません。

◆クローズドキャプション
テレビのリモコン操作などにより、視聴者が字幕の表示・非表示を選択できる方式です。必要な人が必要なときに利用できるため、視聴環境や一人ひとりのニーズに応じた情報提供が可能になります。
商品名やキャッチコピーを画面に表示するだけでは、ナレーションや出演者の会話など、音声によって伝えられている内容のすべてを把握できるとは限りません。字幕では、CMを理解するために必要なナレーションや会話を文字で伝え、必要に応じて音楽や効果音などの情報も補います。

番組からCMへ、視聴体験を途切れさせないために

テレビ番組では字幕を利用できても、字幕のないCMに切り替わった瞬間、音声情報を受け取れなくなる視聴者がいます。その場合、番組からCMに移る際に視聴体験が分断され、広告内容を十分に理解できない可能性があります。
これは視聴者にとっての不便であるだけでなく、広告主(アドバタイザー)にとっても、本来届けられたはずの商品情報やブランドメッセージを届けられないという機会損失につながります。
番組とCMの双方で継続して情報を受け取れる環境を整えることは、よりよい視聴体験をつくるとともに、広告接触の機会を確実なコミュニケーションへとつなげるうえでも重要です。

字幕が役立つのは、聴覚に障害のある方だけではない

字幕付きCMの対象は、聴覚に障害のある方だけではありません。聞こえに不安がある方に加え、例えば次のような生活環境でも字幕が活用されます。

・赤ちゃんや家族が寝ており、テレビの音量を下げている
・勉強や在宅勤務をしている人が近くにいて、音を出しにくい
・周囲の生活音が大きく、音声を聞き取りにくい
・商品名やサービス名などの固有名詞を、音声だけでは把握しにくい
・日本語を学習中で、音声と文字を併用したほうが内容を理解しやすい
・音声を聞き逃した場合に、文字でも内容を確かめたい

字幕は、特定の人だけに向けた特別な機能ではありません。さまざまな聞こえ方や生活環境にいる視聴者が広告内容を理解するための、汎用性の高いコミュニケーション手段です。

広告主が字幕付きCMを導入する2つの意義

広告情報へのアクセシビリティを高める

企業は社会的な存在であり、商品やサービスに関する情報を、できる限り多くの人に公平に届けることが期待されています。
字幕を付与することは、聞こえ方や視聴環境の違いにかかわらず、視聴者が広告情報を受け取れる環境を整える取り組みです。これは、企業が顧客や社会とどのように向き合うかを示すブランドコミュニケーションの一部でもあります。

情報を受け取る際の障壁を減らす姿勢は、企業のインクルーシブな姿勢を具体的な形で示すことにもつながります。

広告メッセージの到達可能性を広げる

広告コミュニケーションでは、伝えたい情報を、できる限り多くの人が受け取れるように設計することが重要です。
ナレーションや会話を字幕でも提示することで、消音や小音量でテレビを視聴している人にも、商品の特長やブランドメッセージを伝えやすくなります。また、音声と文字の両方で情報を提示することにより、商品名や重要なメッセージの理解を助けることができます。

字幕付きCMは、これまで広告の音声情報を受け取りにくかった視聴者との接点を生み出し、広告メッセージが届く可能性を広げます。

社会的責任と広告効果を両立するために

字幕付きCMは、SDGsの基本理念である「誰一人取り残さない」という考え方を、広告コミュニケーションの実務に反映する具体的な取り組みの一つです。
同時に、聞こえ方や生活環境に左右されず、より多くの人へ広告情報を届けるためのコミュニケーション基盤でもあります。字幕を付けることは、社会的責任への対応と広告効果の向上を別々に考えるのではなく、両者を一体として実現していく取り組みだといえます。

「字幕を付けるかどうか」をCMごとに個別判断する段階から、字幕を広告制作における標準仕様の一つとして捉え直すことによって、よりインクルーシブで効果的な広告コミュニケーションが広がっていきます。

*文責:字幕付きCM普及推進協議会

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