テレビCMにおける字幕付きCMは、聴覚に障害のある方や、加齢などによって音声を聞き取りにくい方への情報アクセシビリティ向上だけでなく、企業のESG・DE&I推進、ブランド価値向上の観点からも導入が進んでいます。また、字幕により商品名やサービス内容の理解促進が期待できることから、マーケティング施策としても注目されています。
字幕付きCMは現在、全国の地上波民放局およびBS局の多くで受け入れ体制が整備されており、タイムCM・スポットCMの双方で活用可能となっています。(民放連Webサイト「字幕付きCM」)
本記事では、広告主が字幕付きCMを導入する際の検討事項から制作、搬入、放送までの流れを整理し、各関係者の役割やスケジュール上の留意点を解説します。
字幕付きCM導入の流れ
STEP1:社内検討・方針決定
まず広告主側で字幕付きCMを採用する目的を整理します。
• ESG・サステナビリティ施策の一環
• アクセシビリティ対応
• ブランドイメージ向上
• 商品理解促進
• 企業の社会的責任(CSR)対応
同時に対象CMや期間、予算、放送エリアなどを決定します。
STEP2:広告会社との企画確認
広告会社と協議し、以下の項目を確認します。
字幕付きCMは通常CMより工程が増えるため、早期相談が重要です。
• 字幕付与対象CM
• 放送局対応状況
• 搬入方法
• 制作スケジュール・字幕付与制作費
STEP3:CM制作
制作会社が通常CM素材を制作します。
この段階で、以下の内容を整理しておくと、後工程の字幕制作がスムーズになります。
• ナレーション原稿
• セリフ原稿
• スーパー表記
STEP4:字幕制作
ポストプロダクションが字幕制作を担当します。
主な作業は、以下のとおりです。
• 字幕テキスト作成
• 表示タイミング調整
• 読みやすさ確認
• 放送基準への適合確認
• 字幕付与制作費確認(制作費はポストプロダクションから直接広告主、広告会社とやり取り可能)
STEP5:広告主確認
完成した字幕付きCMを広告主が確認します。
特に以下項目を確認します。
• 商品名
• 企業名
• 数値情報
• キャンペーン名称
• 表記ゆれ
一文字の誤りでも放送後の修正は困難なため、慎重な確認が必要です。
STEP6:搬入
広告会社およびポストプロダクションが放送局向け素材搬入を実施します。
現在はオンライン搬入の普及により、字幕データを含めた搬入が一般化しています。
STEP7:放送局受け入れ・登録
放送局では、以下の作業を行います。
• 素材受領
• 技術チェック
• CMバンク登録
問題がなければ放送準備完了となります。
STEP8:放送
指定日時に字幕付きCMが放送されます。
関係者ごとの役割
字幕付きCMは広告主・広告会社・放送局の密接な連携が重要であると字幕付きCM普及推進協議会でも説明されています。
導入時に確認すべき事項
スケジュール上の留意点
字幕付きCMでは通常CMより確認工程が増えるため、余裕を持った進行が必要です。
以下に示す推奨スケジュール例は一例です。実際のスケジュールは案件や関係者によって異なります。
特に注意したいのは、CM完成後に大量修正が発生するケースです。
字幕は映像と同期しているため、セリフ変更や編集変更は再制作が必要になる場合があります。そのため、字幕制作開始前にCM映像を確定させることが理想です。
まとめ
字幕付きCMは単なるアクセシビリティ対応ではなく、企業価値向上と広告効果向上を両立できる施策として注目されています。
導入を成功させるためには、広告主・広告会社・制作会社・ポストプロダクション・放送局が早期から情報共有し、十分な制作期間を確保することが重要です。
近年は放送局の受け入れ環境も拡大しており、今後さらにテレビCMの標準的な取り組みになることが期待されています。
*記事中の画像は生成AI(Microsoft Copilot)を使用して作成しています
*文責:字幕付きCM普及推進協議会