【第13回Webグランプリ受賞作品紹介】企業BtoCサイト賞グランプリ|クルマづくりマイスター

公開日 2026年05月01日
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三菱自動車工業株式会社 総務本部 総務渉外部 地域・社会貢献推進室 主任

菊地 麻衣

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子どもたちがワクワクしながら学びに没入していく「クルマづくりマイスター」。
今回は、その設計について紹介します。

当社は、4つの分野で社会貢献活動を推進しています。

中でも「人」の分野において、次世代育成に注力しています。工場見学の受け入れや、社員が小学校へ出向いて授業を行う体験授業プログラムなど、リアルな学びの機会を提供してきました。こうした学びの場を、学校や家庭からもアクセスできるようにしたい――その想いから、本サイトは誕生しました。

リニューアルの背景

コロナ禍から回復して以降、体験型学習のニーズが高まり、当社でも工場見学の改革を進めてきました。一方で、子ども向けサイトは長年にわたり部分的な改修にとどまり、コンテンツの追加を重ねた結果、全127ページにまで拡大。階層も深く、構造が複雑化していました。
また、デザイン面においてもやや可愛らしさに寄っており、令和の子どもたちの感覚とのずれが生じていました。動線の分かりづらさや、目的の情報にたどり着きにくい構造も課題となっていました。
さらに、三菱自動車のものづくりの魅力を十分に伝えきれていない点も、大きな課題でした。

目的、ターゲット、設計思想

本サイトで目指したのは、次の2点です。
・「熱量」のある学びの場をつくること
・クルマづくりの楽しさを知ってもらうこと

この軸は最後までぶらすことなく、制作会社と共有しながらプロジェクトを進めました。
メインターゲットは、小学3年生から中学1年生です。小学3年生で社会科の学習が始まり、5年生の秋頃には自動車産業について学びます。多くの学校でこの時期に工場見学が実施されることから、この層をコアターゲットとして設定しました。サブターゲットは保護者や教育関係者とし、大人が見ても楽しめる品質を意識しています。

設計思想の軸に据えたのは、子どもたちの行動特性です。子どもは説明を受ける前に、まず触れてみようとします。「やってみたい」という感情から動き出し、そこから「もっと知りたい」へと関心が深まり、気づけば学びにつながっている——。こうした自然な学びの流れを、サイト全体の設計に反映しました。

3つのこだわり、学びと体験をつなぐ

1つ目のこだわりは「デザイン」です。
サイトを単なる情報の置き場にするのではなく、自然と次から次に進みたくなる導線を大切にしました。入口として最も時間をかけたのがデザインです。ファーストインプレッションで子どもたちの心をつかむことを目指しました 。

当初、制作会社からは、いわゆる子ども向けの「かわいらしさ」を前面に出したデザイン案が提案されていました。たとえば「本をひらく」といった導線からコース選択へ進む構成です。一度はその方向で検討を進めたものの、本当に今の子どもたちに届くのかという疑問が残りました。今の小学生はデジタルネイティブ世代です。タブレットを使いこなし、多様な世界観に日常的に触れています。そこで、小学生世代のトレンドや感性を改めて整理。子ども・保護者・教育関係者あわせて約50名への調査を実施し、その結果をもとに現在のデザインへとたどり着きました。

トップページは3つのコースをフィギュアのパッケージのように仕立て、選ぶ楽しさを演出しました。背景には工場の世界観を取り入れ、メニューボタンはナビゲーションを展開。ユーザーを迷わせない構造としました。

バーチャル工場見学では、工場のシャッターが開く演出を採用。クイズモーターレースでは、親世代には懐かしさを感じさせるゲーム機を想起させるデザインとしました。自由研究コンテンツには、ノートや虫眼鏡といったモチーフを取り入れています。
さらに、各コンテンツの学習終了時に獲得できるカードを収集・閲覧できる「マイカードギャラリー」機能を実装しました。
一瞬で引きつけ、思わず触れたくなる——。そんな直感的な体験を生み出すデザインにこだわりました。

2つ目のこだわりは「本物」です。

エンジンやモーターなど車の本質から見せる。そしてデザイナーの仕事もリアルに伝えることにこだわりました。開発者やデザイナーへのヒアリングを重ね、簡略化せずに「本物をどう伝えるか」を大切にしています。例えばデザイナーがアイデアを形にするスケッチ。さらに、そのスケッチやデータをもとに、本物の車と同じ大きさのモデルを粘土で制作する工程も紹介しています。車体に光と影のゼブララインを映し出し、0.3ミリ単位で調整を行い、夜の街でも美しく見えるかを検証する――。そうした細部にまでこだわる現場の姿を、写真とともに伝えています。

3つ目のこだわりは「体験」です。
クイズモーターレースやカードコレクション、バーチャル工場見学など自分で触って進められるインタラクティブな設計にしました。さらに繰り返し遊びたくなる仕掛けもたくさん取り入れました。

例えば「クルマカード」をコンプリートすると印刷できる機能など、達成感が次の行動につながる設計にしています。一度見て終わりではなく、子どもたちが自然と没入し、何度も訪れたくなる体験を目指しました。
また、本サイトは単体で完結するものではなく、子ども向け施策全体をつなぐハブとしての役割も担っています。サイトを通じて「もっと知りたい」という気持ちを喚起し、その関心がリアルな体験へと自然につながっていく——その入口となることを意図しています。

公開後の反応、審査コメント

工場見学に来てくれた子どもたちから「クルマづくりマイスター見たよ」との声が増えました。「ゲームと同じ工程が本当にあってびっくりした」「クルマだけでなく三菱自動車のこともわかった」「夏休みの自由研究にした」と直接反応をもらえたことはとてもうれしかったです。社内でも幹部からエレベーターで「カード、コンプリートしたよ」と声をかけられ、世代を超えて楽しんでもらえていると感じました。
審査コメントでも、子どもの興味を引き出して学びへつなげる体験設計を高く評価していただきました。私たちが目指したものは、子どもがワクワクして気づいたら学びに入り込んでいる場所です。三菱自動車はこれからも、次世代の挑戦や学びを支える活動を通じて社会のつながりを大切にしていきたいと思います。

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